*華月譚*雪ノ章 若宮と白狐の恋物語
「……………朝からうるさい奴だな」
朝陽に照らされた琥珀色の明るい、切れ長の双眸が、不機嫌そうに沙霧を見つめ返している。
すでに慣れっ子になっている沙霧は構わずに、並んで横たわったまま泡雪の頬をさわさわと撫でた。
「ずいぶん元気になったなぁ。
もう傷は痛まないか?」
「………ん、もうほとんど治った」
「良かったなぁ、本当に………」
まるで自分のことのように嬉し気な沙霧の顔を、泡雪はじっと見つめる。
「…………ぁ」
「ん?」
「……………ぅ」
何か言いた気に小さく唸る泡雪を、沙霧はしばらく見つめ返していたが、ゆっくりと身を起こした。
「なんだい、喉が渇いたのか」
そう言って立ち上がり、水を取りに行こうとした沙霧の袖を、泡雪の白い指がぎゅっと掴んだ。
目を丸くした沙霧をちらりと見上げてから、泡雪は瞼を少し伏せ、唇を薄く開く。
「ん? どうした、泡雪」
「…………ぁ、りがとう………」
朝陽に照らされた琥珀色の明るい、切れ長の双眸が、不機嫌そうに沙霧を見つめ返している。
すでに慣れっ子になっている沙霧は構わずに、並んで横たわったまま泡雪の頬をさわさわと撫でた。
「ずいぶん元気になったなぁ。
もう傷は痛まないか?」
「………ん、もうほとんど治った」
「良かったなぁ、本当に………」
まるで自分のことのように嬉し気な沙霧の顔を、泡雪はじっと見つめる。
「…………ぁ」
「ん?」
「……………ぅ」
何か言いた気に小さく唸る泡雪を、沙霧はしばらく見つめ返していたが、ゆっくりと身を起こした。
「なんだい、喉が渇いたのか」
そう言って立ち上がり、水を取りに行こうとした沙霧の袖を、泡雪の白い指がぎゅっと掴んだ。
目を丸くした沙霧をちらりと見上げてから、泡雪は瞼を少し伏せ、唇を薄く開く。
「ん? どうした、泡雪」
「…………ぁ、りがとう………」