*華月譚*雪ノ章 若宮と白狐の恋物語
「そう言われればそうかな………よく分からんが」






「いえ、間違いないわ、絶対におかしい。



ご飯の時も上の空だし。


食が細くなって一度には食べきれないみたいで、残り物は、お腹が空いてから食べる、なんて言って、自分の洞窟に持って帰るの」






「そうなのか?


腹でも壊したのか………?」






「そういう風にも見えないんだけど……。


それにね、前はそこここで男たちに声をかけて世間話をしていたのに、最近は誰も話しかけられてないんですって」






「………それは確かに変だな」







疾風は眉根を寄せて顎に手を当てた。







「分かった、俺から沙霧に話してみるよ。


なにか悩み事でもあるんだろう」






「えぇ、そうしてみて」








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