*華月譚*雪ノ章 若宮と白狐の恋物語
「ーーーーー泡雪………泡雪」
沙霧は確かめるように繰り返し、その名を唇の上に反芻した。
そして、微笑んで顔を上げ、少女を見つめる。
「君は、今日から………泡雪だ」
「……………」
少女は怪訝そうに沙霧を見つめ返す。
その華奢な手を、沙霧はそっと握った。
「………言ってみてごらん。
君の名を、君の口でーーーーー」
「……………」
「ほら、言ってみて。泡雪、だよ」
どこか戸惑ったような少女の手を、沙霧はさらにぎゅっと握りしめる。
「泡雪ーーー美しい名だ。
君にぴったりだ………。
真っ白で美しい、君に…………」
「……………私の、名前」
少女は低く呟いた。
沙霧が促すように優しく頷く。
「……………あわ、ゆき………泡雪」
琥珀の瞳を見開いて、かみしめるように、少女は囁いた。
沙霧は確かめるように繰り返し、その名を唇の上に反芻した。
そして、微笑んで顔を上げ、少女を見つめる。
「君は、今日から………泡雪だ」
「……………」
少女は怪訝そうに沙霧を見つめ返す。
その華奢な手を、沙霧はそっと握った。
「………言ってみてごらん。
君の名を、君の口でーーーーー」
「……………」
「ほら、言ってみて。泡雪、だよ」
どこか戸惑ったような少女の手を、沙霧はさらにぎゅっと握りしめる。
「泡雪ーーー美しい名だ。
君にぴったりだ………。
真っ白で美しい、君に…………」
「……………私の、名前」
少女は低く呟いた。
沙霧が促すように優しく頷く。
「……………あわ、ゆき………泡雪」
琥珀の瞳を見開いて、かみしめるように、少女は囁いた。