気まぐれだけど、文句ある?
思わずドキッとしてしまい、ほっぺを掴む手が緩んだ。

その隙に、私の両手を吉田君が片手でまとめる。なんだこの体勢。恥ずかしいぞ。


顔が熱くなる。


「ねぇ、よし………。」

吉田君、っともう一度言おうとした瞬間。
私の口は閉じられていた。







息ができない。長い。

苦しくて目に涙が浮かんできたとき、2人の唇の間に小さな隙間ができた。

私が息を吸おうと口をあけると口の中に何かが入ってきた。
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