気まぐれだけど、文句ある?
Chapter1
転校生ですけど、文句ある?
利根琴音。
6月、という微妙な時期に転校すること
になりました。
「どうぞ、よろしく。」
ぺこり、と小さくお辞儀をすると皆から
拍手がわく。
なんともまぁ、ご丁寧に。
「なんで転校してきたんですかー?」
どこからかそんな声が聞こえた。
理由、かぁ。
「あー、親が離婚したからです。」
さらりとそう言った瞬間に教室の空気が
凍りついたのを感じる。
え?
…何故だ。