気まぐれだけど、文句ある?
電話もやっぱり秒殺で出る吉田君。
ずっと携帯触ってるのかな。

「もしもーし。電話出るの早いね〜。」

とりあえず褒めてみた。

『おう。』

でもかえってくる返事はそっけない。
本題に入ろう。

「何で勉強会断るの?」

『いや、だって…』

それだけ言って、沈黙になった。
何なんだ、一体。
でも粘り強く返事を待ってあげる私。

うん、偉いぞ。

…なんて考えているうちに。
恐らく30秒は経過した。

電話代もったいないな………。
そう思って、切ろうとした瞬間、

『ねこさぁ、』

吉田君がやっと喋った。
ねこ、というあだ名も慣れたのでそこまで違和感はない。
< 84 / 121 >

この作品をシェア

pagetop