もしも君と恋ができたら
しょうくんはしばらく見ない間に、すっかり変わっていた。
髪も前より少し伸びて、肩幅も広くなって、顔つきから幼さは消え去っていた。
なんていうか、もう、一人前の男の人っていう感じだ。
うっかりしょうくんに見とれていたことに気づき、慌てて笑顔を取り繕ってしょうくんを家の中に招き入れた。
「ごめんね、わざわざ手伝いにきてもらって」
靴を揃えているしょうくんの背中を見つめながら言うと、立ち上がったしょうくんがわたしのほうをじっと見てきた。
「なに?」
「いや……よっぽど大変みたいだな」
「え?」
「クマできてる」
そう言って、わたしの目元を指さした。
「……」
触れそうで触れなかったしょうくんの指。
あなたのせいだよ、なんて明るく言えたらどんなに楽だろう。
だけどわたしはしょうくんの反応が怖くて、
傷つくのが嫌で
そんなこと、絶対に言えない。