もしも君と恋ができたら
わたしの部屋の場所を知っているしょうくんは、迷うことなくわたしより先にそこへ向かい、わたしはしょうくんのあとについて行った。
小さいときみたいでちょっとだけ懐かしい。
「うわ、ちらかってんな」
部屋に入ったしょうくんの第一声はそれだった。
「だって、引っ越すんだもん」
少しだけむくれると、しょうくんはふっと笑って腕まくりをした。
「どれ運ぶ?」
「あ、この辺にあるやつと、そっちの衣類を運びたいんだけど」
「了解」
しょうくんはダンボールを軽々と持ち上げて運び始めた。
わたしもしょうくんに負けないようにダンボールを運び出したけど、結局ほとんどしょうくんが運んでくれた。