幼なじみにわたしの生死がかかってる件
両手で膝を防御したまま、チラリとスイのほうを見たら、「はああ」とあからさまに溜息を吐かれた。
溜息つきたいのはこっちだよって話だよ。
「昨日お前がとんでもない阿保面引っ提げて、ふらふら歩きながら階段から見事に滑り落ちる瞬間を見たんだよ。」
『見てたのかよおおお。助けろ馬鹿スイ。』
「ああん?」
『あ、謝らねえからな。』
やっべ声震えちゃったよわたし。
だって大男にガン付けられたらこわいじゃんね。
でもねでもね、見てたのに助けてくれないのはやっぱり人としてどうかと思うのだよ!
そもそも、
『元凶はスイなんだからー!昨日スイのクラス移動教室で休み時間全然会えなくてコウちゃんはあの時瀕死状態だったのだ。それでも必死に中庭を歩いてたらあのちょっとした階段から舞い降りちゃったんだよう。』
「舞い降りたとかきれいな表現使ってんじゃねえぞこのマヌケ。俺はあの時実験の片づけがあったんだよボケが。なのに残り僅かの休み時間を割いててめえの教室まで行ってやったんじゃねえか。」