幼なじみにわたしの生死がかかってる件

いやあ、あの時は痛かったね。うん。

あちらこちらに切り傷ができて、そのそれぞれからこれでもかってくらい血がでたからね。


ここはダレ、わたしはドコ状態できょとんとしていたらスイにぐわんって抱き上げられたんだった。


『ごみんね。』


ぼそっと呟いた。ごめんね、スイ。


血だらけのわたしを抱きかかえて家に戻って世話やいてくれたのはスイだったもんね。散々罵られたけど。


『スイスイスイスイスイー。』

「だから泳ぐなっつってんだろ。」

『名前呼んでんだっつってんだろ。』


広い背中にぎゅううとしがみついてやる。今はわたしだけのスイだ。


いずれ取られちゃうんだから今くらいいいじゃんね。


いずれ、というより近い将来?かも。


そうなったらさ、どうすればいいんだろうね。


生きてる自分が想像できないのだよ。うん。

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