幼なじみにわたしの生死がかかってる件
スイの部屋に戻ろうとするわたしと力ずくでそれを止める非人道的男前巨人。
ふぎぎぎぎ、と踏ん張るも健闘むなしくあえなく敗北。
米俵か何かのように担ぎ上げられて、中野家リビングルームに屈辱的な凱旋を果たした。
「ったくお前は。」
溜息を吐きながら、前髪をぐしゃって乱暴にかきあげる。
実はスイのこの仕草を見るのが好きだ。
「何見てんだ。」
『今日も死にそうなくらいスイのことが大好きなのだ、という視線である。』
「んなことで死にかけてんじゃねえパジャマキョーリュー。金取るぞ。」
このやりとりはほぼ毎日繰り返されている。日課というやつだ。
それにしても見物料要求するとか、
『自意識過剰。』
「聞こえてんだけど。」
いいから着替えて来い、と蹴り飛ばされたのでこの隙に二度寝してやろうとウキウキしていたら、二度寝したらしばくという先制攻撃をくらった。なんてこと。