続.不器用恋愛
「か、かわいくない」
馬鹿じゃない、と続けて視界が緩んだ。こんな事で泣く女なんて頭がお花畑なんだろうって思ってた自分を全力で殴りたい。
「啓吾といると、どうしたらいいか全然分からない。ただの友達だったら受け流せた事も、今は気になって、勝手に落ち込んで、啓吾はズルい。なんでも、どんな言葉も、あっさりと言ってしまう。啓吾は言い慣れてるかもしれないけど、あたしは言われ慣れてない。大体、『可愛い』の要素が今現在全く、ない」
まるで子供みたいに堰を切ったように溢れ出した言葉が止められなくて、あたしは益々啓吾の顔が見れない。
それなのに、
「蒼」
あたしの名前を呼んだ啓吾のその声が優しくて、
「蒼、こっち向け」