続.不器用恋愛


「おまえが食いたいなら俺が作るから問題ない」


啓吾が笑う。でも真剣な口調で。

「前の女と比べる趣味はねーよ。馬鹿にすんな阿保。」


「それからおまえのトーストの焼き方は日本一だから安心しろ」




…なにそれ。


「おまえが作ったもんならなんでも食うよ。モザイクかけなきゃなんねーようなやつでも、砂糖と同じ分量の塩の菓子でもなんでも」


そこまで、しないわよ、馬鹿。


「だから、そんな顔すんな、滅茶苦茶困る」


啓吾が、眉を曲げて苦笑する。

< 11 / 13 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop