続.不器用恋愛
「10時…!?」
目覚まし時計が差す時間を思わず二度見してしまった。
「…んー」
まだ寝ぼけた低い声が、回した腕に力を込めてあたしを抱き締める。
隣で眠るのは、均整の取れた筋肉質な裸のままの上半身。深いブラウンの髪が無造作に顔にかかるそれだけで色気があって、朝から嫌になるくらい良い男。
「あお…もっかい…するか?」
半分眠った様な声で、ゆっくり引き寄せられる体。
「…啓吾、起きなさい」
あたしは、まだスヤスヤと眠り続ける恋人の頬を思いきり殴った。