続.不器用恋愛
啓吾はなんでもスマートにこなすから、出来ない事なんてないんだろう。実際、付き合って一ヶ月、啓吾の慌てた姿とか、取り乱したとことかみた事なくて。いつも余裕のある顔であたしを見るから、悔しくなる。
『一緒に暮らせばいいだろ?』
『俺、蒼と毎日一緒にいたいし』
簡単に甘い言葉を吐く啓吾。
だけど、あたしは『職場から遠いし無理』飾り気のない言葉を返すだけ。
可愛くない。
確かにそれも理由だけど、そんなんじゃない。
見つめる瞳だとか、低くて甘い声だとか、無差別級な色気とか、微妙な寝癖とか、下手くそな冗談だとか、数ある全部、直視して毎日過ごしたら愛しくて、死んでしまう。
ねえ、啓吾、あたしはあんたにこんなに溺れてる。