猫を追いかけて……。【短編】
それでも夜になると
服を着ていないトラは
毎日、私に煮干しを貰いに
規則正しくやって来た。
「同じトラ模様の猫でも
随分と違うわね。」
庭先に置いた白い皿に
出汁を取った残りの煮干しを
入れてやる。
ニャォ……
小さく言うと
嬉しそうに食べ始めた。
自分でも不思議だった。
何故、彼に
これほどまで執着するのだろうか。
彼がまともな人間ではないから?
けれど私はその彼に
見た目は猫にしか見えない彼に
心惹かれつつあった。
もう二度と味わうことがないと
思っていたあの甘い淡い
感覚が私にいつしか
芽生え始めていた。
猫人間に恋?
まさかーーー
精神が病んでいるのかもしれない。
「そう思わない?」
目の前の野良猫に聞いてみるも
ニャォと一つ鳴くだけで
私の手元を見るばかり。
「君に聞いても仕方ないか。」
私はそう言うと
皿にまた一つ煮干しを入れてやった。
服を着ていないトラは
毎日、私に煮干しを貰いに
規則正しくやって来た。
「同じトラ模様の猫でも
随分と違うわね。」
庭先に置いた白い皿に
出汁を取った残りの煮干しを
入れてやる。
ニャォ……
小さく言うと
嬉しそうに食べ始めた。
自分でも不思議だった。
何故、彼に
これほどまで執着するのだろうか。
彼がまともな人間ではないから?
けれど私はその彼に
見た目は猫にしか見えない彼に
心惹かれつつあった。
もう二度と味わうことがないと
思っていたあの甘い淡い
感覚が私にいつしか
芽生え始めていた。
猫人間に恋?
まさかーーー
精神が病んでいるのかもしれない。
「そう思わない?」
目の前の野良猫に聞いてみるも
ニャォと一つ鳴くだけで
私の手元を見るばかり。
「君に聞いても仕方ないか。」
私はそう言うと
皿にまた一つ煮干しを入れてやった。