猫を追いかけて……。【短編】
私は海の見える展望台へと
やって来た。
これといって毎日
何かやることが有るわけでもなく
誰かに急かされることもない。
いくらでも好きに使える時間を
私はよくこの場所で過ごした。
手前に広がるごちゃごちゃと
密集する家達は
まるで子供が積み木を
ばら蒔いたように
整列を成すことなく
そこにある。
その先に広がる
瀬戸内の穏やかな海を
眺めていると
何も考えず時だけが過ぎて行く。
時だけが過ぎて行く。
カシャッーーーー
不意に穏やかな景色を
切り刻むかのような
機械音が私を現実に引き戻した。
やって来た。
これといって毎日
何かやることが有るわけでもなく
誰かに急かされることもない。
いくらでも好きに使える時間を
私はよくこの場所で過ごした。
手前に広がるごちゃごちゃと
密集する家達は
まるで子供が積み木を
ばら蒔いたように
整列を成すことなく
そこにある。
その先に広がる
瀬戸内の穏やかな海を
眺めていると
何も考えず時だけが過ぎて行く。
時だけが過ぎて行く。
カシャッーーーー
不意に穏やかな景色を
切り刻むかのような
機械音が私を現実に引き戻した。