今夜、君とBloodyKiss
1st Kiss
桜の下で
「っ!?」
目を開けると、見慣れた天井が視界に入る。
数回瞬きを繰りかえし、ゆっくりと体を起こす。
「ゆ・・・め?」
じっとり濡れた肌が気持ち悪い。そのまま邪魔な前髪を払いのけると、ゆっくりと大きく息を吐き出した。そっと胸に手を当てると少し動機が早い。どうやら悪夢を見たようだ。
「最悪」
軽く舌打ちすると、苛立たしげにベットから足を下ろしそのまま洗面台に向かう。
鏡を覗き込めば、少し疲れた表情をみせる自分の顔を見つめた。
「うわあ・・・くまできちゃってるよ」
そっと目の下を撫でるが黒さが失われることはない。気持ちを引き締めるために水を出すと、そのまま顔を洗う。
冷たい水が、脳の覚醒を促すようでどんどん意識がはっきりしてくる。
タオルで水気をふき取ると、そのまま先ほどの事を思い出した。
夢の内容まで覚えていないし、思い出そうとしてもうっすらとしか思い出せない。
ピロロロロロロ
考えを中断させるように、携帯のアラームが鳴る。どうやら起床時間の前に起きることができたらしい。
もう一度鏡を見る。
パシッ
両頬を軽くたたくと、意識を入れ替える。
「よっし。頑張るか!」
意気揚々と気合を入れ直すとそのまま着替えに部屋に戻った。