キス、誘惑の唇




「…先輩」




後ろからそう声をかけられて、びくりと肩が揺れる。


恐怖か、歓喜か。

私にもわからない。


ただ一ヶ月もの間近くで聞くことの出来なかった彼の声に涙が出そうなことは確かで。

ぎゅっと心臓が痛くなる。


私は何も答えることが出来ないまま、その場で身を固くするだけ。


そんな私に彼はその甘い声で言葉を続けた。




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