キス、誘惑の唇




「先輩。俺、諦め悪いんです」




そう言ってくるりと回された椅子。




「だから、逃げられるなんて思わないでくださいね」




久しぶりに正面から見た彼は、悪戯な笑みを浮かべてそう言った。


そのまっすぐな瞳と、妖艶に誘うような唇にドキリと胸が高鳴る。


だって、私はずっとこの人が好きなのだ。


年下のくせに生意気で、俺様でそのくせ甘やかし上手なこの男が。




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