空春〜ソラハル〜
「佐山さんって、
結構思ったこと全部
口に出すタイプなんだな」
「うっ…
ごめんなさい」
「ふっ、別にいいことだと
思うけどな。
俺はすぐ溜め込むタイプだし」
「うう〜、佐伯にも
よく怒られるんだよね…。
言葉遣い悪すぎ!って」
あたしは両手で
顔の皮膚を引っ張り、
佐伯のつり目を表現する。
高瀬くんはフッと笑ったあと、
少し考えてから口を開いた。
「そういえば、
佐山さんと佐伯くんってさ、
仲良いけど、付き合ってるの?」
「えっ!?
いや、全然!!
出席番号が前後だから
よく話すようになったってだけ!」
「ん、そっか」
「う、うん…」
2人の間に流れる沈黙。
なんだ、
なんなんだ、これ…
少し苦しい、けど
悪くない。