空春〜ソラハル〜
全てお見通しだとでも
言いたいのだろうか。
むかつく。
めちゃくちゃむかつく。
いや、そもそもただ
私よりも仲のいい女の子が
現れただけであって。
あの子の方が高瀬君と
長く一緒にいたわけだから
それは当たり前であって。
別に恋敵が現れたわけじゃない。
高瀬君のこと
好きになってたわけじゃないし。
ウム。
傷は浅いぞ。
「あ、いたいた凛!
あたしら休憩だって!
他のクラス見に行こー」
「あ、おっけー!」
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大丈夫、大丈夫。
そう自分に言い聞かせて
校内を回る。
教室出る時には
高瀬君たちの姿は
見えなかったから、
彼らもきっと校内をみてる。
いつ出会っても
大丈夫なようにしないと…。
「コラァ〜佐山ぁ〜
元気ないぞ〜どうしたぁ〜〜」
「うわあっ!!」
突然の低い声に
驚いて振り返ると、
鬼の仮面をつけた男子が
後ろに立っていた。
私の驚きように
ケタケタと笑っている。