空春〜ソラハル〜







そして放課後---…





「あれ?高瀬くん?」

「あ、佐山さんか。
おかえりー」

「ただいまー、って変なの」





学校から帰ると、
いつかのように
公園でぼんやりしている
高瀬くんを見つけた。





「今日はまたどうしたの?」

「んーちょっとなー」

「ほらほらー
溜め込まない方が
いいですよー?」

「んー…

おれさー、小さい頃に
両親なくしてさ、
叔父夫婦に育ててもらったんだよ」





高瀬くんの横に、
…少し距離をおいて、座る。

不謹慎かもしれないけど、
話してくれるのが嬉しい。





「でもやっぱおれも
すでに物心はついてたし、
遠慮ばっかして
表面上は笑って、
一定の距離おきながら
家族やってた。
叔父さんたちも
一定の所からは全然
踏み込んでこなかったし。

ずっと上辺だけの付き合いでさ…
それがいやで、
1人暮らししようと思ったんだ。
正直叔父さんたちもおれのこと
煩わしかったんだろうな、
全く反対しなかった。

それであの人たちから
離れることばっか考えて、
高校も変わらなきゃ
いけないくらい、
こんな遠くまで来ちゃったのね」







< 24 / 48 >

この作品をシェア

pagetop