空春〜ソラハル〜
いまどきっぽい
オシャレな短髪で
整った顔立ちをしていたので、
つい見入ってしまったが、
そいつは小さくため息をつくと
フラリと歩き出していった。
平日だってのに
制服も着てなかったし、
変な人だな。
「ただいまー」
「あら、おかえり」
「あれ、お母さん?
パートはどうしたの?
夜ごはんの準備までして」
お母さんは普段
昼のパートに出ているので
帰ってくるのは
早くても18時頃だ。
なのでいつも夜ごはんは
あたしが作っている。
「いやね、今日パートに行く前に
お隣さんが挨拶にいらしたんだけど
仲良くなっちゃってねえ。
聞いたら1人暮らしだって言うから
晩ごはんのおかず
おすそ分けします!
って言っちゃったのよぉ。
だからこうして早めに帰ってきて
腕によりをかけてるってわけ!」
「へえ〜。
じゃあ手伝うよ」
「あ〜いいわよ!
いつも作ってくれてるんだから
勉強でもしてなさい!」
「勉強より料理の方が
いいんだけどな....」
「いいから勉強!」
「はーい...」