【永遠の愛を繋ぐ2人の手】(*ラブコスメ参加作品)
「…汐見!!」
社内で声をかけられ
彼に『ゲンカツギ』を求められて
右手を差し出される度に
『頑張れ!!』と
『あなたが好き』
そんな想いを込めて
私はキュッ、キュッと手を握る。
『サンキューな!』と
嬉しそうに微笑む彼は
勿論、私の握手の意味など
気づいてなんてないはずだけど
素直に言えないこの想いを
握手に込めるなんて
勿論、彼に伝わる訳もないけど
何の意味もない事などわかってるけど
彼の温もりと笑顔が
私の胸を熱くさせる。
そして
いつでも手を握られてもいいように
手や爪のお手入れを
欠かさなくなった可愛い私がいた。
もっと、彼の手の温もりを感じたい。
もっと 、彼の手に触れていたい。
その手を繋いで歩きたい。
あなたのその緊張感も
あなたの優しさも
何もかもを私だけのモノに
してしまえたらいいのに…。
気づいて…だけど、気づかないで。
何度も何度もそう思いながら
日々募っていく彼への切ない想い…。
日々溢れ出しそうな
彼への『好き』と言う想いを
やっぱり私は
握手に込めるしかなかった。