【永遠の愛を繋ぐ2人の手】(*ラブコスメ参加作品)
いつもと特に変わりなく
時間が流れるオフィスでの昼休み。
「…あっ、いたいた!汐見!!
ここだと思ったんだ。」
同じ職場で
同期入社の親友でもある
石田湖奈美(いしだ こなみ)と
社食で昼食を済ませて出た直後
私…汐見愛梨(しおみ あいり)は
ある男性社員に声をかけられた。
「…何だ…菊田か。
どうせ、アンタが愛梨を探してる時は
決まってロクな事じゃないよね!?
どうせ、いつものように
『ゲンカツギの握手をさせて!』
…でしょ!?」
私の代わりに答える湖奈美に対して
「…相変わらずひっでえなぁ、石田。
そればかりじゃねえよ。
…まぁ、でも今日は
その通りだから仕方ねえな。」
彼…菊田瑛亮(きくた えいすけ)は
苦笑いしながら私に視線を向けると
「…悪い、汐見!!
14時から大事なプレゼンがあるんだ。
成功するように、今日も
ゲンカツギの握手を頼むよ!!」
そう言って彼は右手を差し出した。
「…仕方ないな…はい…菊田。」
私はクスクス笑いながら右手を出すと
「…プレゼン頑張ってね!!」
そう彼に微笑みながら
キュッ、キュッと
優しく握手を交わした。