【永遠の愛を繋ぐ2人の手】(*ラブコスメ参加作品)

翌日、会社に出社するなり

『汐見!!』

私を呼ぶ声に振り向くと

菊田が私の元へ駆け寄ってきた。

「…おはよう。どうしたの?」

首を傾げた途端

ギュッと

彼は突然私の両手を握った。

「…えっ!?な…何?」

驚いて戸惑う私に

「…汐見、ありがとう!!
俺、あんなに緊張してたのに
お前が握手してくれたおかげで
気がスーッとラクになったし
発表もスムーズにいってさ
部課長達からも
『良くやった。』って褒められたよ。」

彼は私に笑顔でお礼を言ってきた。

男性から『ありがとう』と

言われる事が久しぶりだったから

ドキッとしながらも

「…そっ、そうなんだ…。
良かったね!お疲れ様。
…別に私のおかげじゃなくて
菊田が頑張ったからだよ。」

そうやんわりと

『私のおかげ』を否定すると

「…いや、汐見のおかげだよ!!
俺、スッゲー感謝してるよ。
本当にサンキューな!!
また今度からも前みたいな
『ゲンカツギの握手』頼むよ!!」

そう言って

私の両手を再びギュッと握ると

今まであまり見た事がないような

彼の最高の笑顔が

柔らかくニッコリと私に微笑みかけた。
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