【永遠の愛を繋ぐ2人の手】(*ラブコスメ参加作品)

…あっ。

菊田のその笑顔と柔らかい表情と

両手から伝わる体温を感じた瞬間

…ドキン、ドキン…。

私の胸が高鳴り

顔が段々紅くなりそうになっていた。

そして、私のした事によって

彼を成功へと導き、感謝された事に

素直に喜びを噛み締めつつあった。

…何だろう…この気持ち。

その想いに気づくのに

時間はそうかからなかった。


…この時から

私はこの男…菊田瑛亮を

同期・友人仲間としてだけではなく

一人の男性として意識し始め

やがて…本当に好きになっていた。

同期・友人の枠を越え

交際半年で結婚を決めた

湖奈美と遥晃のように

私も『彼の彼女になりたい』

『彼の傍にいたい』と

心の片隅でいつも願いながらも

恋に臆病な私は

菊田に拒否された場合や

交際に至っても気まずくなった時に

彼と元のような同期仲間として

接していけるのかと思ってしまうと

その先に進む勇気が出ず

想いを打ち明けられないまま

同期・友人としての関係を

保ち続ける事しか出来なかった。















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