True Love
カウンター当番
ついに今日はカウンター当番初日。
一番最初の仕事である昼休みのカウンター当番はとても気まずいものだった。
「何かあったら、奥の部屋にいるから来てね」
「はい」
野神先生はそう言って奥の方へ行ってしまった。
するともちろん、カウンターは私と柴崎くんのふたりきりとなってしまう。
意外と昼休みの図書室は人が多かったが、ほとんどの人が本を机に着いて読んでいたり、ただ図書館にたむろしているだけのような人ばかり。
カウンターまで借りに来る人はあまりいなかった。
そんな数少ない、カウンターまで来た人もすべて柴崎くんが対応してくれたため、私はすることがない。
だけど、それ以上に私たちの間の会話の無さが一番気まずくて仕方がなかった。
隣り合って座っているのに、何も話題もなく、ただひたすらボーっとしていた。
…早く時間経たないかな……。
そう切に願ってしまうほどである。
ついに耐えられなくなった私は特に意味もない質問を投げ掛けてみる。
「ね、ねえ…バスケ部って大変?」
突然話しかけられてびっくりしたように目を一瞬見開いてから柴崎くんはただ一言、
「…おう」
とだけ言った。
何か続けないとと思い、さらに「でも楽しい?」と聞く。
だけど、返事は変わらず「おう」の一言。