True Love
すれ違う間際に一応「バイバイ」と声をかけて校門を抜ける。
だが、「おい」という柴崎くんの声に呼び止められて振り返る。
「…え、なに?」
「……怪我、してるんだろ。後ろに乗れよ。送る」
その言葉はあまりに意外なもので、一瞬意味が理解できなかった。
「病院で見てもらった方がいいと思う。でも、そんなんで歩いてたら病院しまっちまうぞ」
「……えっと、いいの?」
「…早く乗れよ」
イマイチこの状況がよくわからないまま、私は柴崎くんの自転車の後ろに乗る。そして、私の家への道案内をしながら自転車で送られていく。
振り落とされないように、と言われて持った柴崎くんの肩を見ながら不思議に思った。
…柴崎くんって、いつもぶっきらぼうな感じだけど…優しいんだ。
私の家に着いて自転車から降りると、「病院行けよ」とだけ言って柴崎くんは来た道を引き返していった。
「あ、ありがとね!」
家の方向、反対なのに送ってくれたんだ…。
あまり印象のよくなかった人からの突然の厚意に驚きながら、なんとなく少しだけ心が動いた。
だが、「おい」という柴崎くんの声に呼び止められて振り返る。
「…え、なに?」
「……怪我、してるんだろ。後ろに乗れよ。送る」
その言葉はあまりに意外なもので、一瞬意味が理解できなかった。
「病院で見てもらった方がいいと思う。でも、そんなんで歩いてたら病院しまっちまうぞ」
「……えっと、いいの?」
「…早く乗れよ」
イマイチこの状況がよくわからないまま、私は柴崎くんの自転車の後ろに乗る。そして、私の家への道案内をしながら自転車で送られていく。
振り落とされないように、と言われて持った柴崎くんの肩を見ながら不思議に思った。
…柴崎くんって、いつもぶっきらぼうな感じだけど…優しいんだ。
私の家に着いて自転車から降りると、「病院行けよ」とだけ言って柴崎くんは来た道を引き返していった。
「あ、ありがとね!」
家の方向、反対なのに送ってくれたんだ…。
あまり印象のよくなかった人からの突然の厚意に驚きながら、なんとなく少しだけ心が動いた。