True Love
「はい、くじ作ったからこの通りに席替えしなさい」
突然のこの先生の言葉に教室のみんなが騒ぎ始める。
やっと席替えだー、今さら?、夏休み目前にしてかー、なんて様々な声だがみんな楽しげであることに変わりはなかった。
うちのクラスでは実はこれまでに一度も席替えが行われていなかった。
先生、席替えしましょうよという意見は前々から出ていたけれど、どうやらうちの担任は席替えが面倒くさいらしい。
「席替えは嬉しいけど、花音ちゃんと離れたくないなあ」
ざわざわする中、くじを引こうと並んでいると私の前に並んでいた杏ちゃんが私の方を振り向いてそう呟いた。
「私も!杏ちゃんとまた近くになれたら嬉しいのにな」
ねー、と声を合わせて言う。
私がくじを引く順番が来て、心の中で祈りながら引く。
神様、杏ちゃんと近くの席にしてください。…あわよくば、柴崎くんの近くにも……。
引いたくじの番号は『1』だった。窓側の一番前の席。
一番前か…と落胆していると、杏ちゃんがうんざりそうに私に話しかけてきた。
「ねえ、聞いて。私、席変わんなかったよー」
そういう杏ちゃんの席は窓から2列目の一番前の席。うんざりしている杏ちゃんだけど、私はやった!と思った。
「私、窓側の一番前だよ!隣だ!」
「え、本当?じゃあ、席変わってなくてもいいや!」
杏ちゃんの表情は満足げに変わった。
突然のこの先生の言葉に教室のみんなが騒ぎ始める。
やっと席替えだー、今さら?、夏休み目前にしてかー、なんて様々な声だがみんな楽しげであることに変わりはなかった。
うちのクラスでは実はこれまでに一度も席替えが行われていなかった。
先生、席替えしましょうよという意見は前々から出ていたけれど、どうやらうちの担任は席替えが面倒くさいらしい。
「席替えは嬉しいけど、花音ちゃんと離れたくないなあ」
ざわざわする中、くじを引こうと並んでいると私の前に並んでいた杏ちゃんが私の方を振り向いてそう呟いた。
「私も!杏ちゃんとまた近くになれたら嬉しいのにな」
ねー、と声を合わせて言う。
私がくじを引く順番が来て、心の中で祈りながら引く。
神様、杏ちゃんと近くの席にしてください。…あわよくば、柴崎くんの近くにも……。
引いたくじの番号は『1』だった。窓側の一番前の席。
一番前か…と落胆していると、杏ちゃんがうんざりそうに私に話しかけてきた。
「ねえ、聞いて。私、席変わんなかったよー」
そういう杏ちゃんの席は窓から2列目の一番前の席。うんざりしている杏ちゃんだけど、私はやった!と思った。
「私、窓側の一番前だよ!隣だ!」
「え、本当?じゃあ、席変わってなくてもいいや!」
杏ちゃんの表情は満足げに変わった。