おっちゃん
夏
和歌山に戻ったおっちゃんは
よく電話をくれた。
いつも私のことを「元気か?」と聞いてくれていたようだ。
そして、いつか私を和歌山に呼びたい、と、旅費を貯めるとまで言ってくれたようだ。
この年の夏
問題児の私を見るに見兼ね、例の「どてかぼちゃ」を含め、おばさんたちが話し合い、
私はどてかぼちゃの息子の事務所へ、強制的に行くことになった。
「もうこれしかない」
そう言い切られた。
仕事なのか、そうでないのか…
行かなきゃいけないのか、本当は迷惑なのか…
周りは勝手に盛り上がっていたけど…
私の意識はふわふわしていた。
そんな中、おっちゃんがまた帰って来るという。
「ただいまー」
おっちゃんが帰り着いたのは、深夜だった。