ヤンデレ〜女の嫉妬〜
私たちはわざとはやめに歩いた。

だが…
となりにいる菫もなぜか
はやく歩きだした。

意識するとわかることって
たくさんあるんだなぁ…

「アゲハ…走るよ!」

「えっ、日茉莉⁉︎」

日茉莉につれられて、
私は走るハメになった。

けど──────

後ろから菫が猛ダッシュする。

私はカバンをひっぱられた。
重心が後ろに傾く。

「うわぁっ⁉︎」

ドスン!と音を立てて
私は尻もちをついた。

「アゲハ、大丈夫⁈」

日茉莉が手を差し伸べる。

「…ちょっと、菫⁇
今のが危ない行為だってわかってる?
アゲハが頭打っちゃうところ
だったじゃない⁉︎」

日茉莉が本気で怒る。
日茉莉は私のことを心配してるんだ。
なんか、
嬉しいなって思っちゃった。

けど、次の一言で
嬉しい感情は去っていった。

「だって、アゲハが
逃げるから悪いんだもん」

私の中で何かが反応した。
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