最後の月へ。
澤田くんはこういうことに


なれているようで


人ごみの中をすーっと抜けていく。


私はそれについていけなくて


一生懸命早く歩いた。


だけど、早く歩く度に足が痛くなる。


澤田くんは、こっちを見てはっと気づいたように


駆け寄ってきて


「ごめん! 俺こういうの慣れてなくて、


全然気付けなかった。」と言って


私の足を見ていた。
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