クローバーの起こしたキセキ
「部長さん!」
私は屋上のドアを思いっきり開けて、叫んだ。
でもそれよりも大きな声で碧海が叫ぶ。
「冬夜!!居るの、居るなら返事して!?」
「ん、碧海か?どした?」
部長さんは私たちが出てきたドアの後ろからひょっこり出て来た。
一人か、とホッとしたのも束の間、後ろから可愛らしい女の子の声が聞こえてきた。
「誰か来たの?」
浮気発覚。
よし、ぶっ潰すの辞める。
・・・・・ぶち殺そう♪私の心友を傷つけた罪は重い。
でも私が動き出す前に何かがものすごいスピードで私の隣を駆け抜けて行った。
「どういうこと、説明して。
三秒以内、十文字以内。
じゃないと・・・・・首が飛ぶよ」
いつの間にか部長さんの目の前にいて、首に足を寸止めでピタッと止めている。
慌ててさっきまで碧海が居た隣をみるけど誰もいない。
・・・・・さすが碧海、黒帯所有者。
「妹で宿題教えてる、八文字だ。
俺が浮気してるとでも思ったのか?俺は碧海一筋だっての」
「その人が冬兄の彼女さん?」
部長さんが言った後、すぐに妹と言われた女の子がそう言いながら私たちの前に姿を見せた。
・・・・・かわいい、碧海には及ばないけど。
碧海は部長さんが言った後でも半信半疑の顔だったけど、妹さんが冬兄と言ったことで本当に兄妹だったんだと安心して首から足を下ろす。