クローバーの起こしたキセキ
「私たちも何かできることをして手伝ってあげるべきではないでしょうか。
クラスメート、いえ、友達として」
碧海、知ってたんだ。
海原君が病気だってこと。
そしてそれが絶対に治ることはないってこと。
「海原が一人では無く私たちもいるということを教えてあげましょう。
そこで、みんなで千羽鶴を折って応援したいと思います。
どうでしょうか」
碧海が言い終わっても誰も何も言わない。
私の席からはみんなの表情は見えない。
みんな嫌なのかな、と心配したがそんなのは無用だった。
「いいと思う」
「海原は友達だもんな!」
「俺さんせーっ」
「私も!」
そしてパチパチと小かった拍手はいつの間にか大きく教室に鳴り響く。
碧海は私を見て、親指をぐっと立てる。
碧海、ありがとう。
みんな、ありがとう。
「じゃー俺は折り紙持ってるから職員室から持ってくる。
放課後時間あるやつは残っとけ。
千枚は絶対余裕で超えるほど持ってるからな!」
なんでそんなに持ってるんだか。
呆れながらも私は放課後何も用事がないことを確認し残ることを決める。
キーンコーンカーンコーン。
ちょうど授業が終わった。
次はたしか学活。
先生は出て行く。
きっと職員室に折り紙を取りに行くのだと思う。