クローバーの起こしたキセキ
クローバーの起こしたキセキ
〜桜井麻美side〜
かなりの距離を歩いたはずなのに、私は疲れを全く感じなかった。
家に帰ると机の上にメモが乗っている。
【デート行ってくるね。
十一時には戻ります】
急いで書いたのか、お母さんにしては珍しい走り書き。
時計を見ると六時ちょっと過ぎだ。
私は自分の部屋に向かい今まで集めてきたクローバーを取り出した。
そのまま私はぼーっと見つめていた。
「百本はないけど、願い、かなうんじゃないかな・・・・・」
つい漏れてでてきた思考。
そうだ、そうだよ。
きっと叶えてくれる。
だって、幸せを呼ぶ四つ葉のクローバーがこんなにあるんだから。
「よし・・・・・」
私は缶の箱を取り出してその中に一本一本丁寧にいれていく。
最後の一本を入れるとき、私は願いを込めた。
海原君と、もう一度会わせてください。