クローバーの起こしたキセキ
私は、卵焼きがクローバー型というだけで、ゆっくり噛み締めながら美味しく完食した。
もう一度自分の部屋に戻る。
そして3歳の頃からずっと一緒にいる、もはや私にとっては家族同然で、話し相手や相談相手になっているクマのぬいぐるみ、りぼんに心の中で行ってきますを告げ、家を出た。
私の高校は、とても近く、家から歩いて20分程で着く。
学校に着くまでの間は何もすることがなくて暇なので、キョロキョロと辺りを見回しながら、あるものを探す。
「あった・・・・・・」
私は、こう呟きながら電柱の傍へ駆け寄った。
そこにあったのは、よほど注意深く見ていないと見逃してしまいそうな、とても小さいクローバーのかたまりだった。