【短】君に贈る


「オレ、ずっとお前に謝りたかった。」

「えっ?」

「…あんな一方的な別れ方してごめん…………。言い訳だけど、あの頃、親の離婚が決まって、オレ県外に引っ越すことになってさ……」

「…うん。」

「遠恋なんてできる気しなくて、自然消滅とか中途半端な事になるのが嫌で……だから別れようとした。」

「…うん。」

「あの電話した時、ホントはもっといろいろ言う事考えてたんだ…。でも、お前の声聞いたら、全部飛んじゃって、あれしか言えなかった。ホントにごめん。」

「…そんな謝らないで。」



あなたは何も悪くない。きっとあの頃あたし達じゃ遠恋なんてできなかったよ。



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