アンタだけは絶対ムリ!!
ピンポーン♪
『どなたですか?』
「あぁ…俺だ。噂の奴も連れて来た。
扉を開けてくれ。」
『かしこまりました。
ただいまお開けいたします。』
すごいとこだな…。
まぁ、扉自体おっきいからね…。
…感心してる場合じゃないでしょ!!
「か、帰る!帰るから!」
その私の言葉は、ギイィィィィィーという開く音にかき消されてしまった。
そのおかげで行く事になってしまった。
扉を開けた奴、絶対に許さない…。
フツフツと湧いてくる怒りとともに扉踏み出した。
「嫌がんないんだな。」
「へ?」
急になにを言い出すかと思えば、嫌がんないって何よ?
……あぁっ!!
つい、家の中に入っちゃった。
まぁ、すぐ帰れば…良いよね?
一ノ瀬翔の部屋も見てみたいし。
…バカバカバカぁ!
んな訳ないじゃん!!
見たい訳ないよ!
私、一ノ瀬翔は論外なんだから。
そう、好きでも何でも…ない。
そう思う。
本当は違うのかもね。
そう思いたいんだ。
私は、アイツを認めたくない…。
「何ぼーっとしてんだよ。入れよ。」
「あ、うん」
アイツの第一声によって、考えてた事がとんで
いった。
緊張してるから。
そう…緊張してるから、変な事考えちゃうんだよ!!
きっと、そう…。