センセイの白衣
第2章 新しい自分を探して
教科担任
そして迎えた新学期。
教科担任の名前が書かれたプリントが配られて、教室が騒がしくなる。
「あ、」
「あーっ!生物の先生、横山先生じゃなくなってる!!」
亜希子が大声を上げる直前に、私はそのプリントに目が釘付けになっていた。
――生物:川上裕一先生
「晴子、川上先生って誰だっけ?」
「いつも白衣着てる先生だよ!」
そう答える私の声は、いつの間にか弾んでいた。
その頃は、先生に少し興味があっただけだけれど。
楽しい一年間になる、そんな予感がしたんだ。
「いつも白衣着てる人?」
「副担の挨拶のとき、号泣してた先生。」
「え、そんな人いたっけ?」
え、あれって結構私にとっては衝撃的だったんだけど。
意外と、みんなには忘れ去られてしまうような出来事だったんだね。
春休みの短い間で。
私は、覚えてるよ。
先生の不安定な心を、ほんの少し垣間見たあのスピーチ。
あの頃はまだ、先生には笑顔より、涙の方が似合っていたね。
本当の先生は、笑顔の方が似合うんだってこと、私はまだ知らなかった―――
教科担任の名前が書かれたプリントが配られて、教室が騒がしくなる。
「あ、」
「あーっ!生物の先生、横山先生じゃなくなってる!!」
亜希子が大声を上げる直前に、私はそのプリントに目が釘付けになっていた。
――生物:川上裕一先生
「晴子、川上先生って誰だっけ?」
「いつも白衣着てる先生だよ!」
そう答える私の声は、いつの間にか弾んでいた。
その頃は、先生に少し興味があっただけだけれど。
楽しい一年間になる、そんな予感がしたんだ。
「いつも白衣着てる人?」
「副担の挨拶のとき、号泣してた先生。」
「え、そんな人いたっけ?」
え、あれって結構私にとっては衝撃的だったんだけど。
意外と、みんなには忘れ去られてしまうような出来事だったんだね。
春休みの短い間で。
私は、覚えてるよ。
先生の不安定な心を、ほんの少し垣間見たあのスピーチ。
あの頃はまだ、先生には笑顔より、涙の方が似合っていたね。
本当の先生は、笑顔の方が似合うんだってこと、私はまだ知らなかった―――