センセイの白衣
そして迎えたセンター試験の日。


試験会場に着くと、うちの高校ののぼり旗がはためいていた。

その近くには、先生がたくさんいる。

知っている先生を見付けるだけでも、私の心は穏やかになった。

しかも、学年じゃないのに川上先生もいた。

それがすごく嬉しかった。



「おはようございます。」



そう挨拶をしながら、担任を始め色んな先生のところに行く。

頑張れよ、なんて言われながら。

たくさん、キットカットを貰って。



「こいつ、黙ってても大丈夫だから。」



川上先生はただ一言、そんなことを言ってくれたね。

その信頼が。

私が生物を、頑張っていたことを、認めてくれる何よりの言葉に思えた。



そして、二日間のセンター試験は、特に緊張することもなく乗り越えた。

私ほど冷静だった人はいないんじゃないだろうか。


中には、マークをずらした人もいて。

そういう失敗をしさえしなければ、N大には落ちないから。

私は、ひとまず安心した。
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