センセイの白衣
第3章 あなたが好き
意地悪教師
そんなことがあって、弱くなってた私の心。
だからかな。
先生のこと、どんどん好きになっていった。
授業も進んで、遺伝が終わり。
やっと新しい章に入った。
嗅覚、味覚、聴覚、視覚、触角。
五感に関する授業は、とっても楽しかった。
授業中に、ファブリーズを持ってきて走り回ったりしてたね。
川上先生は、ほんとに面白い。
「今、香りの化学物質が、お前たちの鼻の奥の、嗅上皮、というところについたんだ。だから、香りを感じた。」
すごくいい匂いだった。
私、いまだに好きで、たまに同じ香りを買ってしまったりする。
「いい匂いだろ?おひさまの香りだ。齋藤先生に借りてきた。」
わっと笑いが起こる。
ちなみに、齋藤先生というのは体育会系の男の先生。
そのくせ、保湿のリップを持ってたり、何かと女性的で面白い。
笑いをとれて調子に乗った先生は、ファブリーズを両手で持って噴射しながら、教室をもう一周した。
何だか今度は、ノズルが霧になっていなかったみたいで、水鉄砲みたいに液が飛んでくる。
「先生、やだー!!」
教室が大騒ぎになって。
最後に私のところまで走ってきた先生は、笑いながらまた飛ばしてきた。
「もう、先生っ!!」
ノートが濡れて、よれよれになるっての!!
ばかみたいで、子どもみたいで。
そんな、先生がたまに見せる一面が。
私にとって、どれほど素敵に見えただろう。
先生の瞳の中に光る、幼さが。
私の心を捉えて離さなかった―――
だからかな。
先生のこと、どんどん好きになっていった。
授業も進んで、遺伝が終わり。
やっと新しい章に入った。
嗅覚、味覚、聴覚、視覚、触角。
五感に関する授業は、とっても楽しかった。
授業中に、ファブリーズを持ってきて走り回ったりしてたね。
川上先生は、ほんとに面白い。
「今、香りの化学物質が、お前たちの鼻の奥の、嗅上皮、というところについたんだ。だから、香りを感じた。」
すごくいい匂いだった。
私、いまだに好きで、たまに同じ香りを買ってしまったりする。
「いい匂いだろ?おひさまの香りだ。齋藤先生に借りてきた。」
わっと笑いが起こる。
ちなみに、齋藤先生というのは体育会系の男の先生。
そのくせ、保湿のリップを持ってたり、何かと女性的で面白い。
笑いをとれて調子に乗った先生は、ファブリーズを両手で持って噴射しながら、教室をもう一周した。
何だか今度は、ノズルが霧になっていなかったみたいで、水鉄砲みたいに液が飛んでくる。
「先生、やだー!!」
教室が大騒ぎになって。
最後に私のところまで走ってきた先生は、笑いながらまた飛ばしてきた。
「もう、先生っ!!」
ノートが濡れて、よれよれになるっての!!
ばかみたいで、子どもみたいで。
そんな、先生がたまに見せる一面が。
私にとって、どれほど素敵に見えただろう。
先生の瞳の中に光る、幼さが。
私の心を捉えて離さなかった―――