センセイの白衣
そして、迎えた学園祭の日。


体育部門は、先生に会えなくて残念だった。

昼休みに職員室を覗くと、ちらほらといる先生の中に、ひとり。

川上先生は担任を持っていないから、ジャージさえ着ていない。

冷めてる……。


ちょっとくらい、生徒のことにも興味持ってよ。

こんな涼しい職員室で、いつもの白衣でお仕事なんて。

一生懸命長縄とか頑張ってるところ、見てほしかったな。


そんなことを考えながら、廊下を歩く。

外は、日焼けしないようにとたくさん塗った日焼け止めクリームも、意味のないくらいの日差しだ。



ああ、だけど。

担任を持っていない先生は、寂しいんじゃないだろうか。

もしも受け持ちのクラスがあったら、先生は職員室でじっとなんてしていないだろうな。

外で、大声を出しながら応援して。

大人であることを忘れちゃうような、そんな―――


そんな先生だって、思い出した。
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