センセイの白衣
朝一番に、先生に会ったから。

こっそり、白衣を返した。



「先生、これ。」


「ありがと。」


「ちゃんと洗濯して、アイロンかけましたから。」


「別によかったのに。」



別によかったのに、って。

洗わなくてよかったってこと?

それって、色んな意味で……。



それもその日の授業後。



「早速これを着てしまった。」



なんて言いながら。

白衣の前をつまむから。


あの柔軟剤の匂い、ちょっとは気に入ってくれたかな、なんて思った。


いつもなら、とっくに脱いでるはずの白衣を。

その日は一日が終わるまで、ずっと着ていたことも。


先生、その柔軟剤の匂いが消える前に。

その香りに、気付いてほしい。

私と同じ香りだって―――
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