センセイの白衣
そして何日か経って。

やっと風邪が治った頃、数学のテストが返ってきた。



「え、32点……。」



うん、赤点じゃないし。

私にしては、よく出来た方だ。


必死に自分を納得させていたのに、廊下を通りかかった川上先生に傷をえぐられる。



「お前、数学の点数どうだったの?どうせ0点だろ!」


「0点じゃないです!」


「お、0点じゃなかったのか。よく頑張ったな!」



いや、そういう問題じゃないから、絶対に。



「そういえば、先生のT細胞は勝ったんですか?(訳:先生の風邪は治りましたか?)」


「んー、まだ完全じゃないけど。お前にうつしたから治った!!」



ああ、先生のこういうところ、大好き。

笑っちゃうような言い方だけど、私にうつしたこと、ちゃんと気にしてくれてる。



「先生のせいじゃないですよ。」



そう言うと、川上先生は優しく笑ってくれたんだ。
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