センセイの白衣
そしてある8時間目の日。
「お前ら、どうせ模試の生物ひどかったんだろ。」
川上先生が、いつもの口の悪さで私たちを責める。
でも、私は笑っていられた。
だって、今回の記述模試は結構難しかったのに、私生物よかったもん!
「お前何点だった?」
「68点~。」
「げ、最悪。」
「そうでもないじゃないですか~。」
そんなことを言っている亜希子。
「じゃあ、横内は?」
「私、……89点でしたよ!」
「えっ、嘘??信じられない!すごいじゃん!!」
先生の反応の方が信じられないよ。
信じられないくらい嬉しい。
「でもお前、生物より日本史の方ができるんだろ?」
なんだか拗ねたように先生が言う。
「え、そんなことないですよ。」
「数学は?」
「数学は一番できませんね。」
そう言うと、今度は勝ち誇ったかのような笑い声。
先生って、ほんとに分からないな。
他教科の先生と、点数でも張り合っているんだろうか。
「模試、何ができなかったの?」
「え、だから数学と化学と……」
「違う!生物で!!」
「え、単なるケアレスミスですよー。」
「なんだ、そんなのただのバカじゃんか。」
ああ、嬉しいな。
今日は、先生とこんなに話せるなんて。
先生にバカっていわれても嬉しいから、私はやっぱり変態だ。
「そうだ、先生。今度の模試の結果について、担任と二者懇談があるんですよ。やだ~。」
「二者懇談?そんなの、俺が加わって三者懇談にしてやる!」
「なに言ってるんですか~。それじゃ、お父さんみたいじゃないですか。」
言いながら、嬉しいのと切ないのが、混じり合ったような気分になった。
先生みたいなお父さんがいたら、どんなに幸せだろう、って。
そんな感傷的な気分になってしまって。
先生との、こんなどうでもいいやりとりの一つひとつが、私にとってかけがえのないものだった。
先生、先生は誰にでも、そんなこと言うのかもしれないけど―――
「お前ら、どうせ模試の生物ひどかったんだろ。」
川上先生が、いつもの口の悪さで私たちを責める。
でも、私は笑っていられた。
だって、今回の記述模試は結構難しかったのに、私生物よかったもん!
「お前何点だった?」
「68点~。」
「げ、最悪。」
「そうでもないじゃないですか~。」
そんなことを言っている亜希子。
「じゃあ、横内は?」
「私、……89点でしたよ!」
「えっ、嘘??信じられない!すごいじゃん!!」
先生の反応の方が信じられないよ。
信じられないくらい嬉しい。
「でもお前、生物より日本史の方ができるんだろ?」
なんだか拗ねたように先生が言う。
「え、そんなことないですよ。」
「数学は?」
「数学は一番できませんね。」
そう言うと、今度は勝ち誇ったかのような笑い声。
先生って、ほんとに分からないな。
他教科の先生と、点数でも張り合っているんだろうか。
「模試、何ができなかったの?」
「え、だから数学と化学と……」
「違う!生物で!!」
「え、単なるケアレスミスですよー。」
「なんだ、そんなのただのバカじゃんか。」
ああ、嬉しいな。
今日は、先生とこんなに話せるなんて。
先生にバカっていわれても嬉しいから、私はやっぱり変態だ。
「そうだ、先生。今度の模試の結果について、担任と二者懇談があるんですよ。やだ~。」
「二者懇談?そんなの、俺が加わって三者懇談にしてやる!」
「なに言ってるんですか~。それじゃ、お父さんみたいじゃないですか。」
言いながら、嬉しいのと切ないのが、混じり合ったような気分になった。
先生みたいなお父さんがいたら、どんなに幸せだろう、って。
そんな感傷的な気分になってしまって。
先生との、こんなどうでもいいやりとりの一つひとつが、私にとってかけがえのないものだった。
先生、先生は誰にでも、そんなこと言うのかもしれないけど―――