センセイの白衣
そして迎えた、次の週の授業。

終わった後に、先生の近くまで歩いて行った。



「あの、先生。」


「なに?」


「この前、ごめんなさい。」


「え、」


「私、おっちょこちょいだから。だから、絶対間違えてないなんて、言えないなって思って。」


「あ、まだ確認してないけど、そんなことどうでもよかったんだ。」



先生は、私の顔を見てやっと、いつもみたいに笑ってくれた。

そうだよ先生。

そんなこと、どうでもよかったんだ。



「お前、先週末の模試、問1から間違えただろ!」


「間違えてませんよー!」



やっと前の感じが戻ってきた。

嬉しい。

先生と、普通に話せただけで、涙が出るほど嬉しかった。


意地張ってたのは、私も先生も同じだけど。

どうでもよかった、って言ってくれた先生が、愛おしかった。

無視してごめんなさい。

心の中で、先生に謝った―――
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