センセイの白衣
第6章 新学期

生物の教科担任

そして、春休み明けの4月。

掃除監督だった川上先生は、終始にこにこしていた。



「お前ら、春休み中生物の勉強したか?」


「するわけないじゃん!」



とあっきー。

横で笑っていると、先生はこれ見よがしに言った。



「ま、今年度誰が生物受け持つかは、分からないけどなー。」


「先生じゃないんですかー?」


「さあ。」



あっきーに、首をかしげて見せる先生。


何で教えてくれないんだろう。

私は、春休み中からずっと気になって、勉強が手につかないくらいだったのに。

教えてほしいのに!


掃除が終わって、環になって挨拶をする。

おじぎをした後、隣の先生を見上げた。



「先生じゃなきゃ、嫌ですからね!」


「そんなこと、俺に言われても困る!」



あっきーが、先生を面白そうに見る。



「先生、ダメじゃないですか。晴子が泣きますよ!」


「あー?知らん!」



そう言いながら、振り返った先生と目が合った。

先生は、むくれた私を見て、すっごく笑っている。


その笑顔で分かった。

先生、今年も教えてくれるんだって―――
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