センセイの白衣
誰よりも、親よりも担任よりも先に相談したのは、川上先生だった。
「先生、私、進路変更します。」
「え、決めたの?」
「はい。私、先生になりたい。川上先生みたいな、生物の先生になりたい。」
土曜課外の、空きの時間。
その90分の時間を、私のために費やしてくれた先生。
私の話にゆっくり耳を傾けてくれて。
いいんじゃないか、って言ってくれた。
そんな先生がいたから、私は足を踏み出してしまったんだ。
今まで、感じたことのなかった気持ち。
私を縛っていたもの、すべてから解き放たれたような。
自分の未来は自分で描くんだって。
初めて心から、そう思えたんだ。
だけど、望みを持つことは、本当の夢を持つことは。
私にとって、こんなにも苦しいことになるとは、その時の私は、知る由もなかったんだ―――
「先生、私、進路変更します。」
「え、決めたの?」
「はい。私、先生になりたい。川上先生みたいな、生物の先生になりたい。」
土曜課外の、空きの時間。
その90分の時間を、私のために費やしてくれた先生。
私の話にゆっくり耳を傾けてくれて。
いいんじゃないか、って言ってくれた。
そんな先生がいたから、私は足を踏み出してしまったんだ。
今まで、感じたことのなかった気持ち。
私を縛っていたもの、すべてから解き放たれたような。
自分の未来は自分で描くんだって。
初めて心から、そう思えたんだ。
だけど、望みを持つことは、本当の夢を持つことは。
私にとって、こんなにも苦しいことになるとは、その時の私は、知る由もなかったんだ―――